鏡を見て、白髪を見つけると、老いや衰えを感じてしまい、気分的にも憂鬱になってしまいます。
特に気になるのが顔周りの白髪。こめかみから、耳周り、もみあげ、前髪の根元など、顔周りに目立って白髪が多く出てきます。
私もそうですが、後頭部に比べて顔周りに白髪が生える方が多いようです。特に男性の場合は、こめかみや耳周りに白髪が目立つという方が多いと聞きます。
顔周りの白髪があると鏡を見るたびにいい気はしませんが、白髪ケアの観点では、自分では見えにくい後頭部にあるよりも、見つけやすい顔周りに生えてもらったほうが、まだましかもしれません。
なぜか、顔周り、特にこめかみや耳周りに生えやすい白髪。顔周りに白髪が生えやすいのには何か理由があるのでしょうか?
白髪の原因は「メラノサイトの働きが低下してしまう」ことです。働きが低下する原因は、加齢による頭皮の老化のほか、血行不良も大きな原因になります。
■血行不良が白髪の原因にメラノサイトは髪に色をつけるメラニン色素を作り出す組織ですが、メラノサイトがきちんと働くためには十分な栄養が必要です。血行が悪くなると、メラノサイトに十分な栄養が行き届けられず、メラニン色素が生成されなくなることから、髪が白髪のまま生えてくることになります。
頭皮には元々太い血管が通っておらず、細かい毛細血管が頭皮中を巡っています。そのため元々頭皮は血行が悪くなりやすい場所なのですが、中でもこめかみや耳周りは血行不良に陥りやすい場所です。
こめかみから耳周り(耳の後ろ)には、重要な神経細胞が多く通っており、目からインプットされた情報を脳に伝達するため、常に活発に働いていることで緊張状態が続いています。目の周りの筋肉が緊張していることで、こめかみや耳周りの血流は悪化し、髪への栄養が不足しやすくなってしまいます。
通勤中にはスマホや携帯を見て、会社ではパソコンに向かい合い、家に帰ったらテレビを見て、布団に入ったら寝るまでスマホ画面を見て、といったように目を酷使している方も多いでしょう。
そんな方は、眼精疲労から血行不良を招き、こめかみや耳周りの白髪を増やしていることも多いと言えます。
■ストレスも顔周り白髪の原因にこめかみ周りの白髪はストレスとも密接に関わっています。こめかみから耳周り(耳の後ろ)に通る神経細胞は、目からの情報を脳に伝達するだけでなく、脳からの指令を体に伝達したり、反対に体からの情報を脳に伝達する働きもあります。
過度にストレスを受け続けると、神経細胞が疲弊し、周りの細胞にも影響を与えてしまいます。強いストレスを感じたり、神経を使うような細かい作業を続けて行っていると、こめかみが痛くなるのは神経細胞の疲弊している証拠です。
ストレスによって体が緊張状態になることで、こめかみの血管を収縮させてしまい、栄養が行き届かなくなり白髪が生えやすい環境になってしまいます。
顔を洗う時やヒゲを剃る時には鏡を見ますから、どうしても顔周りの髪が目に入ってきますし、そこに白髪があれば後頭部や襟足よりも目立ってしまうのは当たり前とも言えるでしょう。
また、男性の場合だと、髪が短く、こめかみや耳周りの髪の根元が露出した髪型をしていることが多いので、髪の根元に白いものが混じっていると余計に目立ちます。生え始めたばかりの短い白髪でも、髪の根元が露出していると、顔周りに白髪が多いように感じてしまうものです。
このときにちょっと考えてみたいのが、白髪があるのは顔周りだけなのか?ということです。顔周りに白髪があるということは、他の部分にも生えている可能性があります。
顔周りは自分でも目に付きやすく、顔の正面というのはどうしても気になる場所なので、白髪を発見しやすいですが、顔周りだけに集中して白髪が生えている訳でなく、自分では気づかず頭頂部や後頭部にも白髪が多く生えている可能性もあります。
眼精疲労やストレス、生活習慣によっても顔周りに白髪が増えやすいこともありますが、顔周りにだけ白髪が多いのか、きちんと確認をしておいたほうが良いでしょう。部分的に白髪が多いのか・全体的に白髪が多いのかによっても対策は変わってきます。
他の部分からも生えている可能性があるので、「顔周りだけなら大丈夫」などと油断しないで家族や友達などに頭頂部や後頭部なども見てもらって全体的にチェックをしてみましょう。
顔周り以外にも白髪が多く生えていないか確認できれば、顔周りの白髪を解消する方法を考えてみましょう。
顔周り、特にこめかみや耳周りに生えてくる白髪を解消するためには次の対策が必要です。
こめかみの白髪を解消するための対策パソコンを使ったデスクワークやスマホ・携帯電話、テレビなど、普段の生活で目を酷使している方は、少し目を休めてあげましょう。
仕事中も、根を詰めてパソコン画面を見ずに、一定時間ごとに目を休めて遠くを見たり、指で軽くマッサージをするなどでも、ちょっとしたことでも目の疲れは変わってきます。
またスマホのブルーライトも目を疲れさせる原因になるとともに睡眠の質も下げてしまいます。夜寝る前にはなるべくスマホ画面を見ないようにすることも大切です。
適度なストレスは日々の生活に緊張感を与えてくれますが、過度なストレスを受け続けるのは体にとってよくありません。
過度なストレスは体を緊張状態にして血行を悪化させる原因になるだけでなく、体のサビの原因になる活性酸素を増やしてしまいます。活性酸素はメラニン色素を生成する酵素を破壊してしまうことから、白髪を増やす原因になってしまいます。
ストレスをゼロにするのは難しいですが、なるべく溜め込まないようにして、小まめにストレスを発散することが重要です。健康のためには適度な運動が望ましいですが、運動に限らず、自分の好きなことで構いませんので発散させる方法を考えてみましょう。
普段からずっと行使されている目は緊張状態が続いています。
目の周りの神経細胞には常に負担がかかっているため、目の周りの緊張をほぐすようなケアが必要です。簡単にできるケアとしては「蒸しタオル(ホットタオル)」や「疲れ目マッサージ」などが効果的です。
蒸しタオル(ホットタオル)は、目の周りの緊張をほぐして、体の緊張も解く効果があります。
疲労が蓄積し血行が悪くなっている目の周りを温めることで、血液の循環を促す効果もあります。
蒸しタオルは、タオルを水に濡らして軽く絞ったら1分ほど電子レンジで温めるだけです。面倒な方は市販されているホットアイマスクなどを使うと良いでしょう。
目の周りには疲れ目に効くツボが多くあります。
あまり細かいツボの場所は意識しなくても良いので、中指の腹を使って、眼球の周りの骨に沿ってゆっくりとマッサージをしてみてください。
また眉間の下から眼球の横辺りまで、鼻の筋にもツボがありますので優しくマッサージをします。
いつでも簡単にできますので、仕事中のちょっと空いた時間にも小まめにマッサージをすると良いでしょう。
ただし、目やその周りはデリケートな部分でもありますので、爪を立てたり、眼球を強く押しすぎないように気を付けてください。
白髪を解消するためには、血行を改善して頭皮や毛根に栄養を送り届けることが重要ですが、送り届ける栄養自体が不足してしまってもしっかりと色のついた健康な髪を生やすことはできません。
髪も体の一部。体が食べたもので作られるように髪も食べたものでしか作り出すことはできません。規則正しくバランスの良い食事をとることが、白髪を解消するためには大切です。
そうは言っても、毎回の食事で髪に必要な栄養を補給するのが理想ながら、なかなか難しいのが実情です。食事だけでもある程度栄養は摂取できますが、髪に必要な栄養は意識的に摂取しないとどうしても不十分になってしまいます。
髪の毛に補給したい栄養成分は、亜鉛やオルニチン、ビオチン、セサミンなど多岐に渡りますが、これらを食事として必要十分な量を摂取しようとすれば、かなりの量を食べないと必要なだけの栄養を摂取することができません。しかもその摂取を続ける必要もあります。
そんな方にはサプリメントの活用もオススメします。白髪専用のサプリも販売されており、効率的に髪に良い成分を摂取することができます。