頭皮は他の場所に比べて、毛穴の数が多いことから皮脂腺の数も多く、皮脂の分泌量の多い場所です。おでこや鼻などの2倍以上の皮脂が分泌されており、体の中でも最もべたつきやすい場所と言えます。
頭皮の皮脂をしっかり落とすためにシャンプーで頭皮に負担をかけていることも多く、間違った頭皮ケアを続けてしまうと、頭皮のバリア機能が低下してしまい、頭皮が乾燥してしまったり、肌トラブルを起こしてしまうことも多いのです。
敏感肌もこの肌トラブルの一つです。
肌が外部刺激に対して過剰に反応するようになることで、普段なら問題なく使えるシャンプーやヘアケア用品・白髪染めでも、かゆみ・赤み・かぶれなど肌荒れの症状が出てしまうことがあります。
肌質が変わってしまうことで、アレルギー症状を発症してしまう可能性もあります。
敏感肌の主な原因は、元々の体質や年齢といったものもありますが、「肌の乾燥」が大きな原因になっていることが大半です。
肌が乾燥すると、バリア機能が低下し、外部からの刺激にさらされてしまいます。肌の内部に侵入した異物や刺激に対して体が反応し、かゆみ・赤み・かぶれなどの症状で異常を知らせているのです。
乾燥肌や敏感肌は、不規則な生活や睡眠不足、偏った食事などの生活習慣や過度なストレスなども大きな原因になりますが、意外に見落としなのが「皮脂の落とし過ぎ」です。
頭皮のべたつきが気になることから、洗浄力の強いシャンプーでゴシゴシと洗っていませんか?
市販されている多くのシャンプーは洗浄力が非常に強力で、本来頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまいます。
余分な皮脂や汚れは頭皮で酸化して頭皮環境を悪化させる原因になりますが、実は、取りすぎてしまうのも大きな問題があります。
不要に思われる皮脂も体にとって重要な働きをしています。それは、皮脂が頭皮の表面に薄いバリアを張ることで、異物や細菌・紫外線などの外部からの刺激から頭皮を守り、反対に、頭皮から水分が蒸発するのを防いでくれているのです。必要な皮脂まで取り過ぎてしまうと、バリア機能が働かず、また水分の蒸発を防ぐことができなくなり頭皮の乾燥を引き起こしてしまいます。
頭皮が乾燥してしまうと、肌の自衛機能が働き、必要な皮脂を補うためにより多くの皮脂を分泌しようとして、さらに頭皮のべたつきを加速してしまいます。このべたつきを落とそうと頭皮を洗うとさらに乾燥して、と言うように悪循環に陥ってしまいます。
敏感肌の方は、まずは頭皮の皮脂を適度に保って、乾燥しにくい頭皮環境を整えていきましょう。
敏感肌の原因の部分でも書いたとおり、洗浄力の強すぎるシャンプーは必要な皮脂まで洗い流してしまいます。
敏感肌の方には低刺激タイプのシャンプーがオススメです。
いま自分が使っているシャンプーが洗浄力の強いシャンプーかどうか知りたい場合は、ボトル本体の裏側に記載されている成分表を確認します。
ラウレス硫酸Naやラウリル硫酸Naなどのように、「ラウレス○○○」「ラウリル○○○」「硫酸○○○」などの記載が1つでもあれば、そのシャンプーは洗浄力の強いシャンプーと言えます。
低刺激のシャンプーもいくつかありますが、中でも代表的なシャンプーは、アミノ酸系の洗浄成分を使ったシャンプー(アミノ酸シャンプー)です。
アミノ酸シャンプーの「アミノ酸」とは簡単に言うと「人の体を作る成分」です。私たちの筋肉や血液といったものを作っているのがタンパク質ですが、そのタンパク質はアミノ酸から構成されています。そのためアミノ酸系の成分を使ったシャンプーは、肌との相性が良く、刺激が少ないのが特徴です。
低刺激に加えて、洗浄力も抑えられているので、余分な皮脂や汚れは落としながらも、頭皮に必要な皮脂をきちんと守りながら洗うことができます。頭皮を乾燥から守りながら、余分な皮脂と汚れだけを落とすところがポイントです。
アミノ酸シャンプーの主な成分は、ココイルグルタミン酸TEAやラウロイルグルタミン酸Naなど、「ココイル○○○」「ラウロイル○○○」などと表示されています。
注意したいのは、これらのアミノ酸系の成分が配合されていても、一緒に洗浄力の強い成分が配合されている場合があります。先ほどの「ラウレス○○○」「ラウリル○○○」「硫酸○○○」の記載がないことをよく確認しましょう。
敏感肌の方は、シャンプーを見直したら、洗い方も見直してみましょう。
頭を濡らしてそのままシャンプーをするのではなく、その前にお湯だけでよく洗って汚れを落としておきます。
お湯の温度は少しぬるめで、約3分ほど。お湯で予洗いをすることで、大まかな汚れを落とすことができ、このあとシャンプーをするときの泡立ちも良くなります。
シャンプーの原液を手に取ってそのまま髪に塗っている方もおられますが、肌に刺激が強いため絶対にNGです。髪につける前によく泡立てましょう。
泡立てネットなどを使うとよく泡立ちます。
泡をしっかり立てたら、髪全体に塗って、指の腹を使って洗います。爪を立てたり、ゴシゴシとこすらずに、優しく洗います。
髪だけでなく頭皮にも泡が行き渡るように洗ったら、洗い残しが出ないようにしっかり流します。
洗う時間は1〜2分程度が目安です。
洗髪後は、濡れたままにせず、ドライヤーを使って髪と頭皮をよく乾かします。塗れた髪は刺激に弱く、摩擦や紫外線で傷んでしまいます。
また頭皮も濡れたままにしていると、細菌が増殖し、頭皮環境を悪化させる原因になってしまいます。
敏感肌になると、肌のバリア機能が低下することで、刺激に弱く敏感になります。
そんな頭皮の状態のときに、刺激成分を含んだ白髪染めを使うと頭皮を傷めて毛根にまでダメージを与えてしまったり、アレルギー症状を発症してしまうリスクも高まります。
敏感肌だと白髪染めを受け付けないと思っている方もおられますが、刺激の弱いタイプを選べば問題なく髪を染めることができます。
敏感肌の方は、添加物を含まないヘアマニキュアを選ぶのが良いでしょう。特にトリートメントタイプであれば、使うたびに髪や頭皮ケアができるのでオススメです。